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●HTML5の歩み

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 HTML5(※1)は、元々自社ブラウザの開発企業でもある米Apple、米Mozilla Foundation、ノルウェーのOpera Software ASAが中心になって20004年に催されたW3C ワークショップ後の2004年6月に立ち上げられたWHATWG(※2)という団体によってその技術の仕様の検討がなされてきました。

■HTML5のルーツ

 当初のHTML5はWHATWGが2004年に仕様の検討を進めていたWebアプリケーションを前提に策定した仕様である“Web Applications 1.0”という技術の名称でしたが、2009年1月5日に同じくWHATWGが検討していたもうひとつの技術である既存のHTMLのフォーム要素にはない豊富な機能を持った“Web Forms 2.0”という技術を組み入れられたものが最終的にHTML5の仕様になりました。

 「W3C HTML WG」は、“W3C HTML Working Group”の略で、W3CにおけるHTML5の開発を担当する作業部会です。2007年3月に発足しました。「W3C HTML WG」は発足直後の投票で、WHATWGで使われていた「Web Applications 1.0」の名称を「HTML5」として採用して開発を進めること、 WHATWGの中心人物であったIan Hickson(Google)をディレクターとすることなどを決議したと言われています。それ以後、「W3C HTML WG」は、 WHATWGと共同で、「HTML5」の標準化作業を行うようになったというわけです。

 HTML5の仕様はWHATWGコミュニティーと「W3C HTML Working Group」で共同作業が行われており、2008年1月22日にHTML5の最初の草案(Working Draft)がW3Cより発表されました。その後、幾度となく最新の草案の発表(変更)がなされ、2011年5月25日に最終草案(Last Call Working Draft)となり、HTML5は2014年10月28日にW3Cから正式に勧告されました。さらに2016 年11月1日にHTML 5.1が勧告され、現在、HTML 5.2がドラフト(草案)段階にあります。

■WHATWGが誕生したいきさつ

 WHATWGが設立された背景には、W3Cの方向性に疑問(憂慮)を持ったのがきっかけだったと言われています。2004年のW3C ワークショップにおいて、Ian Hicksonが中心となって今のHTML5の前身となる“Web Applications 1.0”の原案がWebで利用される技術の標準化を進める団体W3C(The World Wide Web Consortium)に提案されましたが、W3Cは関心を示しませんでした。W3CはXMLの方向性を重視したのです。実際、2004年には「XML1.0」の仕様がW3Cから勧告されています。しかし、WHATWGの強い働きかけによって、2007年にW3Cに採用され、HTML5の標準化策定作業が行われるようになりました。そして、“Web Applications 1.0”の名称は、2007年5月に HTML5 と改名されました。

■HTML5へ移行

 WHATWGが新しい仕様を検討していた当時、既存のHTML文書は閲覧を主眼に作られており、“Web Applications 1.0”のWebアプリケーションを構築するといった表示機能をHTMLに持たせるには機能不足であると認識されていました。いっぽう、W3CもHTMLの次期バージョン候補として拡張性に優れたXMLという新しい仕様が1998年2月10日にW3Cによって勧告されました。しかし、なかなか実装されない現状を踏まえ、XHTMLの仕様が考案されました。XHTMLはHTMLをXMLベースで文書を作成できるように再定義されたものですが、XHTMLには、2000年1月26日に勧告されたXHTML 1.0と2001年5月31日に勧告されたXHTML1.1の2種類のバージョンがあります。しかし、XHTMLは彼らが期待したほど普及しませんでした。XHTMLはXMLとの親和性は高まるものの、操作性や拡張性は備えていませんでしたのでおのずと限界がありました。テキストベースのWebページより、Ajaxに代表されるようなWebアプリケーションを取り入れたWebページのニーズの方が圧倒的に多かったのです。そして、ついにW3CはXHTML2.0策定の打ち切りを決定し、HTML 5の標準化へ大きく方向転換することになりました。2009年7月2日のことです。今後はHTML5の標準化に注力されていくということです。

■HTMLの表記

 将来的にはHTMLのバージョンの表記は廃止され、“HTML”という表記が必ずしも特定のバージョンを指すものではなく、常に最新のバージョンを示すようになると言われています。(そもそもHTML5文書にはバージョンを示すような記述がない。)

■脚注

※1:HTML5の読み方は、エイチティーエムエル・ファイブ。HTMLと5の間に半角スペースは入りません。入らないのが正しい表記です。

※2:WHATWG(The Web Hypertext Application Technology Working Group)の読み方はワットダブルジー。読み方は“WHAT WG”からきており、HTML5もそうだがWHATWGでは用語の半角スペースを詰めて表記する慣例がある。設立されたきっかけは、2004年のW3CのワークショップでXML 前提の新しいプラットフォームではなく、現在のHTMLを拡張させたWebアプリケーション(Web Applications 1.0)の仕様の提案が投票によって、否決されたため、既存のXHTMLを推進するW3Cの方向性に疑問を持ったApple、Mozilla Foundation、Opera Software ASAで働く個人によって立ち上げられたと言われています。

※3:“Web Applications 1.0”の開発の中心となったのがIan Hickson氏。彼はNetscape、Opera Software ASA、Googleで働き、現在もHTML5におけるプロジェクトの中心的なディレクターです。

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